商標出願が拒絶! 区分や商品・役務を間違えた? どうすればいい?

区分や商品・役務を間違えた? どうすればいい?

商標出願したら、拒絶理由通知という書類が送られてきたけど、何これ、どうすればいいの?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、指定した区分や商品・役務に不備があるという拒絶理由について、ざっくり説明してみたいと思います。

目次

拒絶理由通知って何?

商標法上、商標登録が認められる要件が定められており、その要件を満たした商標のみが登録を受けることができます。商標を申請すると特許庁の審査官が商標登録を認めてよいか審査を行います。

審査の結果、商標法上の要件を満たさないと判断された場合には、商標登録を認めることができない理由について、特許庁から通知を受けることになります。これが拒絶理由通知というものです。

商標の拒絶理由には色々ありますが、代理人に依頼せずに出願した場合に通知されることの多い拒絶理由の1つに「指定区分、指定商品・役務に不備がある」という趣旨のもの(6条1項2項)があります。

指定区分や指定商品・役務に不備があるという拒絶を受けた場合の対応

指定区分、指定商品・役務に不備があるという趣旨の拒絶理由(6条1項2項)を受けた場合、以下のような対応が考えられます。

指定区分を修正

商品・役務は区分によって分類されており、商標出願する際には、商品・役務だけでなく、対応する区分を指定する必要があります。

例えば、除菌剤については、工業用のものは第1類、洗濯用のものは第3類を指定する必要がありますが、指定商品として「洗濯用除菌剤」と記載したのに、指定区分として「第1類」と記載してしまたった場合には、指定区分に不備があるという趣旨の拒絶理由を受けることになります。

この場合、補正書を提出して、指定区分を「第1類」から正しい区分である「第3類」に訂正すれば、商標登録が認められる可能性があります。このように補正書により正しい区分に訂正することで商標登録が認められることも多々ありますので、諦めずに粘り強く対応しましょう!

指定商品・役務を修正

商標出願をする際に指定することができる商品や役務は、商品・役務に関する審査基準で定められており、素材や用途などによって細かく分かれているものがあります。

例えば、除菌剤については、上述のとおり、工業用のものは第1類、洗濯用のものは第3類、さらに、これら以外の用途のものは第5類に該当します。そのため、単に、指定商品として「除菌剤」と記載しただけでは、指定商品が不明確ということで記載に不備があるという趣旨の拒絶理由を受けることになります。

この場合、除菌剤の用途が選択用であれ、補正書を提出して、指定商品を「除菌剤」から正しい記載である「洗濯用除菌剤」に訂正すれば、商標登録が認められる可能性があります。このように補正書により正しい商品・役務に訂正することで商標登録が認められることも多々ありますので、諦めずに粘り強く対応しましょう!

拒絶理由に対応しないとどうなる?

商標出願に対して特許庁から拒絶理由通知を受けた後、何の対応も行なわない場合には、拒絶査定という処分が確定してしまい、その出願については、商標登録することができなくなってしまいます。

例えば、別の商標を使用することになった場合など、拒絶理由通知を受けた商標出願について、もはや商標登録の必要がなくなったときには、何も応答する必要はありません。

一方で、その商標を使用する予定がある場合、他人が後から同じ商標を出願して、同じような拒絶理由通知を受けたときに、その拒絶理由に対して応答することで、商標登録が認められてしまう可能性もあります。その場合、本来自分が取りたかった権利を他人にとられてしまうことになり、その商標を自分が使用することはできなくなってしまいますので、注意が必要です。

拒絶理由通知に対して本当に応答する必要がないのか、十分検討するようにしましょう。

まとめ

以上のとおり、商標出願に対して拒絶理由通知を受けてしまった場合でも、適切な対応を行えば商標登録が認められる可能性は十分あります。一方で、何の対応も行わずに放置した場合、他人に権利を取られてしまう場合もあるので、拒絶理由に対する応答を行うか否かについては、しっかり検討する必要がありそうですね。

商標出願をしたのに拒絶理由通知を受けてしまって対応に迷った場合には、専門家である弁理士に相談してみるのよいかもしれませんね!

目次